
今日の西武ライオンズは、ロッテ相手に敗色濃厚な展開です。もっとも、昨日は3連続ソロ本塁打で得た3点を、写真の高橋光成投手の力投で守り切って3-2と勝利しました。高橋は前橋育英高校から2015年にドラフト1位でライオンズに入団しています。高校時代は2年生のときに夏の甲子園で優勝投手になっていますが、3年生のときにさほど目立っていなかったので「そういえば優勝投手だったか」という印象でした。
ライオンズでは先発投手として彼を育てたい様子で、1年目から先発で出番を得て5勝を挙げ、月間MVPも受賞するなど将来性には期待されていました。2年目のシーズンに田辺監督が起用して、フル出場に近く22試合に投げましたが、ここでの成績は4勝11敗とローテーションを確約できる成績ではなかったです。2017年、2018年シーズンは二軍暮らしが長く、入団時の期待を思えば少し回り道をしました。
高橋光成のブレイクになったのは2019年シーズンでした。当時、キャンプでは二軍スタートでしたが、前年最多勝の多和田、11勝の榎田が不振と先発投手陣のコマが足りなくなるピンチがありました。この隙に割って入り、先発3番手の座をつかんだ高橋光成は、自己最多の10勝を挙げてローテーション投手に定着することになります。
当時の高橋光成を見ていると、若手時代にコントロールを気にするあまり縮こまっていた印象があった投げ方が、素直に上から投げ下ろすフォームに変わっていました。ストレートの球速も、以前は147kmほどでしたが、2019年以降は150kmを安定して超えるようになっています。投げ方がスリークォーターでバランスのとり方が難しい投手だった高橋光成ですが、二段モーションを取り入れるなどバランスが取れるようになったのがブレイクの要因でした。
今季も昨日の勝利で、2年連続の二桁勝利を達成しました。もっとも、課題は四死球と暴投の多さです。昨年、最下位だったライオンズでは、先発の今井、松本、高橋光成で四死球のワースト3を占めるほどでした。昨日の試合でも暴投で1点を失っており、そういう安定感の向上は今後進めていくとしても、高橋光成の投げる試合は勝利を期待されており、優勝には彼の好投が必要です。
もっとも、最下位の翌年に、これだけライオンズが優勝争いに絡むのは期待以上でした。今季のペナントレースは抜け出すチームがなく、最後まで混戦が続きそうで、そこで辻監督の策が当たるよう、ファンとしては願っています。