Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズについて、いろいろ書いた記事です。

車椅子テニス


いつか書こうと思っていながら一週間経ってしまいましたが、東京パラリンピックでの車椅子テニス、国枝慎吾選手の金メダルは感動的でした。その直後にアメリカに渡って、即全米オープンに出ているタフさはさすがですが、今回初めて車椅子テニスを見る機会があったので、その面白さを伝えたくて筆を執ることにしました。

車椅子テニスの場合、打ち返すまでに健常者は1バウンドのところを、車椅子テニスでは2バウンドまではさせてもいいというルールがあります。そのため、どうしても苦しくなればコート一杯まで下がれば、2バウンドで返せるという戦術も取り得ます。もっとも、あまり後ろに下がっているとドロップショットで手前に落とされてしまうので、どこかで攻めに転じる必要はありますが。

また、車椅子テニスではどうしてもサイドステップで移動することができないので、なぜあれだけのラリーが続くのだろうというのは疑問に思っていました。その理由は、「ここに打てば相手はここに打たざるを得ない」と常に読み続けて、その読み通りの位置に車椅子を動かせるからです。そのため、テニスの本場英国では、車椅子テニスをチェスに例える頭脳スポーツという見方をされています。

それでも、車椅子テニスは片腕はどうしても車椅子の操作に充てる必要があるので、ショットを打てる手は必然的に片手になります。その片手で、180km近いサーブが打てる技術がある選手もいますが、どうしても利き腕に負担がかかるので、肩やひじを手術する選手も出るなど、過酷なスポーツでもあります。国枝選手も、前回のリオパラリンピックでは負傷明けで本来の力を発揮できませんでした。

無観客だったのは残念だったでしょうが、自国開催のパラリンピックは、バスがどのくらいの時間で会場に着くのがわかるとか、食べ物をコントロールしやすいとか、目に見えないメリットもあります。そのメリットも生かし切れた、国枝選手はほぼサービスをブレイクされずに見事ストレートで優勝しました。国枝選手は思い切って前に出る積極性もさすがで、見る方に感動を与えた勝利だったと振り返ります。