
新型コロナウイルスの流行で、Jリーグは3/15までの全試合が延期になりました。予想していなかったオフ状態なので、こういうときはマニアックにワールドサッカーを見ようと、ユベントス対ブレシアのビデオを見ていました。強豪対下位という、セリエAではよくある一方的になりそうな試合でしたが、ブレシアに元ミランFWバロテッリがいることが興味の対象でした。
バロテッリはパワーのあるシュートが武器のFWで、ミラン時代には誰もが予想できないような弾丸シュートでチームを勝利に導いたこともあります。もっとも、ボールのないところではほとんど動かないFWなので、下位のブレシアは守りを固める戦術ゆえに彼が孤立する恐れは十分考えられます。ブレシアは後ろに2ラインを引いて守り、ユベントスのパスが入らないようにする予想通りの戦い方でした。
ユベントスは、過密日程を考慮して、エースストライカーのロナウドが休養日で出場しませんでした。3トップの中央にはイグアインが入り、ウイングのクアドラードとディバラでボールを持って崩したい狙いですが、どうしてもブロックの中は相手選手に寄せられるので、ユベントスはブロックの外側で回す、優位なようでリードを奪えない展開になります。
それでも、ユベントスのようなチームは、苦しいときに出る「飛び道具」があります。この試合ではディバラの左足が効きました。ちょうど、エリア外ギリギリの位置でのFKを、相手GKは一歩も動けないほど隅にうまく決めて、ユベントスは1点リードを奪います。このFKの前に、ブレシアFWが2枚目の警告で退場しており、ただでさえ苦しいブレシアはバロテッリにボールを入れられなくなります。
ユベントスDFもバロテッリの脅威は理解しており、できるだけバロテッリ以外の選手に攻撃させようと、バロテッリが持つと最大3枚で潰しに行きました。ブレシアが一人少なくなってからは、バロテッリは前に一人だけ残される格好になり、ユベントスとしてはバロテッリに持たせないようにすればいいと割り切れます。
最後はゴール前に走り込んでいたクアドラードに絶妙なパスが出てゴールになり、ユベントスは格下ブレシアの粘りに遭ったものの実力通り2-0でこのゲームを勝利します。しばらく、こういうマニアックネタでしのぐしかないので、レッズネタを楽しみにしている方はもう少しお待ちください。