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思い出の戦術(2014年コスタリカ代表)


サウジアラビア戦、即日更新は勘弁して頂き、穴埋めネタの昔話です。

よく「W杯は戦術の見本市」と言われます。それを強く実感したのが、2014年ブラジルW杯で8強と結果を出した、中米の小国コスタリカ代表です。コスタリカが所属する、北中米カリブ海地区は比較的予選が楽で、W杯に出てくると最弱チームの扱いを受けることが多かったです。

メキシコやアメリカが最近は結果を出し始めていましたが、コスタリカは2014年ブラジルW杯で、イングランド、イタリア、ウルグアイという「死の組」に入れられたので、この大会での活躍を予想した評論家は皆無でした。

まともに戦っては、この死の組には通用しないと考えたであろう、コスタリカのサントス監督の立てた策は、5-4-1のリトリートサッカーでした。しかし、大会前の準備試合の日本戦を1-2で落とし、これもコスタリカの3戦全敗を予想する理由でした。

しかし、本大会に入ると、コスタリカは5-4-1を機能させるためには何をすべきか、我々サポーターに見本を示してくれました。5バックで守れば、プロレベルなら相手にスペースを与えないことはできますが、守り一辺倒になっては90分守り切れません。コスタリカが優れていたのは、4枚の中盤の選手の使い方です。

横に4枚、中盤をボランチ気味に並べたコスタリカは、その4人がボールを受けられる位置に動いて、DFラインからボールを引き出していました。コスタリカは攻撃の形も持っていました。DFの一番外側のアウトサイドが、ここぞという場面ではオーバーラップして、1トップのキャンベルとMFのルイスが前でターゲットになっていました。コスタリカの攻撃は、これによって完結することができていました。

このように、攻撃を機能させたコスタリカは、ウルグアイとイタリアに勝ち、イングランドに引き分けて2勝1分けのグループ首位で1次リーグを突破しました。ベスト16でもギリシャPK戦で破り、コスタリカにとっては期待以上の結果と言えるベスト8進出を果たしました。

それからは、Jリーグで5バックのチームを見かけると、毎回コスタリカを引き合いに出して、攻撃を完結できているかを見ています。また、ロシアW杯でもこんな発見があるかもしれないと期待していますが、もちろん日本代表がいないと興味半減なので、サウジアラビア戦の勝利を願っています。