
今日、大相撲初場所が千秋楽を迎えました。結果は大関琴奨菊が14勝1敗で優勝しました。日本人力士で優勝するとすれば稀勢の里だろうというのが大方の予想でしたが、琴奨菊が鮮やかな復活劇を見せて快挙を達成しました。左差し速攻の形を持っているのが強かった理由で、その形に磨きをかければ今後も期待したくなります。
彼のことは昨日書いたので、他の力士に触れると、今回の琴奨菊の優勝は本命白鵬のまさかのもたつきも理由でした。琴奨菊が豊ノ島に敗れて1敗で並んだ、絶好機をものにできなかった勝負弱さは、白鵬らしくないと気になります。白鵬が3場所連続で賜杯を逃すというのは驚きですが、それでも12勝3敗です。来場所以降の奮起を望みたいです。
今場所は休場力士の多さが残念でした。大砂嵐は初日から休場、遠藤は7日目から休場、照ノ富士も6日目から休場といった負傷力士のほか、インフルエンザで休場した力士が安美錦、千代鳳、御嶽海と出たのは残念です。初場所は寒さで怪我をしやすいイメージで、千代の富士が引退したのも、初場所で逆鉾を強引に攻めすぎて筋肉を断裂したのが引き金でした。そろそろ、公傷制度復活とか、何か対策を考えてもいいのではと思います。
下位では、33歳の新関脇、嘉風が8勝7敗と勝ち越して関脇を守りました。こういうベテランになってから強くなる力士が出るのが、相撲の面白さです。若さの勢いだけでない、「相撲を楽しむことを考えた」というメンタル的なものやトレーニングのノウハウなど、ベテランならではの工夫で強くなることもあるという例です。
三役を賭けた争いは、関脇栃煌山が7勝8敗で小結に残りそうで、小結の勢が5勝10敗、栃ノ心が6勝9敗が平幕に下がり、二つ枠が空きます。その空いたところに入るのは、おそらく東前頭2枚目で8勝7敗の宝富士と、東前頭7枚目で12勝3敗の豊ノ島が三役に上がると思われます。上位が定位置になってきた宝富士はともかく、豊ノ島の三役は久しぶりなので期待です。
新入幕、正代の10勝5敗は見事です。東農大出身の24歳で、既に体は十分幕内力士の筋肉です。来場所はある程度上に上がるので、どこまでその相撲が通用するか見ものです。