
今日は欧州CL準々決勝、Rマドリード(以下レアル)対Aマドリード(以下アトレチコ)を見ていました。レアルは負傷者が続出しており、ベンゼマ、ベイル、モドリッチと攻撃の選手を多く欠いています。
そのため、マンUから移籍のエルナンデスを3トップの真ん中に置き、ロドリゲスを右ウイング、本来CBのセルヒオ・ラモスを右のMFに上げてきました。アンチェロッティの普段の戦術の4-3-3は変えず、選手を変えることで対応してきました。
ただ、このメンバーではレアルが得意とする縦へのスピードは左ウイングのCロナウドだけが頼みの綱です。バランス良く全員が縦に走れるレアルらしさが出せない試合でした。また、レアルに速攻を許さなかったのはアトレチコの守り方も理由でした。
アトレチコは昨年はスペインリーグを優勝しましたが、それほど資金力のあるチームではないので大量流出の恐れがありました。確かに、FWジエゴ・コスタ、GKクルトワなどを引き抜かれています。しかし、コケ、トゥラン、ガビ、ゴディンら中心選手の多くは残留しています。
その、残留した主力選手を生かして、アトレチコのシメオネ監督の打った手は2ラインコンパクトサッカーでした。バイタルエリアに侵入を許さない、アトレチコの戻りの速さの前に、レアルはブロックの外で回さざるを得ない展開を強いられました。
もちろん、レアルほどのチームですから決定機はありましたが、アトレチコGKオブラク(13番)が好調でした。第1戦でもレアル優勢の試合をファインセーブでスコアレスドローに持ち込んだ主役で、早くも欧州トップレベルのチームからのオファーは必至と言われます。ボール支配率は33%ほどのアトレチコでしたが、0-0で長時間戦うのはゲームプラン通りだったでしょう。
しかし、アトレチコが点を取れそうな雰囲気はあまりありませんでした。延長戦に持ち込むこともプランにあったと思いますが、痛かったのはアトレチコMFトゥランの退場です。2ラインコンパクトサッカー自体は、一人減っても前を減らせばできますが、点を取れそうな場面は極端に減ります。その結果が最後のCロナウドの突破からのエルナンデスのゴールになりました。よく戦っていただけに惜しい試合でしたが、レアルの方が地力は上だったと感じた試合でもありました。