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埼玉と浦和レッズについて、いろいろ書いた記事です。

辛勝も理由があった(3/14浦和対山形)


浦和は、前日練習で全メニューこそこなしたものの、ミニゲームでBチームだった興梠を、1トップで起用してきました。動いてボールを収められる興梠の真似は、他の選手ではできないというミシャの判断だと思います。ただ、結果的には興梠はあまりプレーに関与できませんでした。山形の策が理由でした。

山形は、5-3-2の守備的布陣で浦和の1トップ2シャドーを完全に封じ込める試合の入り方をしてきました。浦和対策として、5バックか2ラインコンパクトサッカーという手は常套手段なので驚きはしませんでしたが、このスペースを消す山形の手で、スピード型の興梠と石原はほとんど消されてしまいました。

山形は宮阪のアンカー起用を予想していましたが、新外国人のアルセウという筋肉質の選手がアンカーに残ってパスを散らし、宮阪と松岡はボランチを基本ポジションにしながら時には前に出ていくという役割が与えられていました。この布陣では、山形は攻撃に行くのがきついように見えますが、本当にチャンスになりそうなときに絞って上がることで体力を温存していました。

浦和にとって助かったのは、山形のカウンターの精度がそれほど高くなかったことです。もちろん、浦和守備陣が良かったということもできますが、ドリブルで仕掛けてもその後のパスを浦和がカットできたので、山形に決定機は作らせませんでした。山岸の話によれば、それもプラン通りだったそうですが、カウンターの精度の高い相手ならまずかったという印象は受けました。

この試合を、1-0の辛勝とはいえ勝利に持って来れた理由は、ミシャの選手交代だと思っています。出てこない山形なら、ボランチは柏木でも相手に狙われないという読みで、アタッカー陣をスピード型の武藤、高木俊幸、石原という新加入トリオにして山形に「動き勝つ」ことを狙ってきました。

そのため、次第に山形の最終ラインが下がってきました。決勝点になった阿部勇樹のミドルには、そんな伏線が張られていました。確かに、阿部勇樹に「あのシュートをもう一度やって」と言ってもなかなかできないかもしれませんが、シュートの打てる時間的余裕があったから決まったとは言えます。

続きは明日のマニアック分析にて。