最近、私の応援する西武ライオンズが好調です。西武というチームは、ここ数年は先発投手の名前はそこそこ揃っていましたが、ブルペンの弱さが響いてなかなか優勝できませんでした。実際、防御率のデータを見ると、先発に比べリリーフの防御率が1点近く悪いデータが出ています。
しかし、そんな西武が、最近変わってきました。それは継投のパターンができたことです。7回に増田、8回にウイリアムス、9回にサファテを持ってくることで、逃げ切れる試合が増えてきました。ウイリアムスやサファテは十分実績のある投手ですが、大きいのはドラフト1位ルーキー、増田達至投手の成長です。
増田は社会人野球のNTT西日本から入団した右の即戦力で、社会人時代は抑えでした。当時から最速152kmのストレートで勝負する豪腕投手で、プロには中継ぎや抑えをやるつもりで入団してきました。西武からドラフト1位指名を受けた直後に入籍する、必ずプロで成功してみせるという大胆さも持っています。
今年はルーキーの当たり年で、巨人菅野、ヤクルト小川、日本ハム大谷あたりが開幕一軍で活躍していたのと比較すると、増田は故障で出遅れてしまいました。ようやく二軍のマウンドに上がっても、ストレートがなかなか140kmを超えず、「こんな球を見せてはお客さんに申し訳ない」と苦しんだプロ1年目でした。
しかし、ストレートが145km前後まで戻ってきて一軍に上がってからは、増田の投球は安定しています。ストレートとフォークを武器にする、シンプルな投手ですが、四死球をあまり出さないのが売り物で、1イニングを安心して任せられる投手にはなってきました。防御率も1点台とセットアッパーとしては十分合格点の数字です。
渡辺監督が、比較的先発投手を信頼するタイプなので、できるだけ先発投手を引っ張ろうとします。そのため、増田の出番があるときは先発が良くない、苦しい展開が多いですが、そこをしっかり抑えて、ゲームを作れる存在になってきたと思います。西武はブルペンも強いと、シーズンが終わった頃は言われるようになって欲しいと思います。