昨日の清水戦のMOMは1得点1PK奪取の梅崎司選手で間違いないと思います。浦和に来てからは負傷がちだったので、体力面は不安視していましたが、夏場になっても運動量は落ちず、体力も結構あるところを見せています。
梅崎は大分のユースの出身で、10代の頃から大分で試合に出ていたのでベテランのようなイメージがありますが、1987年生まれとまだ若い選手です。浦和に移籍してきたときは靭帯断裂で離脱していたポンテの代役としての期待でしたが、生粋のゲームメーカーのポンテとサイドアタッカーの梅崎ではタイプが違い、オジェック監督は梅崎を使わず2試合で解任されています。
後任のエンゲルス監督は梅崎の長所を見抜いていたのでチャンスでした。トップ下に置いてはいましたが、梅崎は左右どちらのサイドも仕掛けられて、左右両足でクロスを上げられるので、サイドに流れる自由を与えたら持ち味が出ました。
しかし、ポンテ復帰後の柏戦で失点につながるミスをしたことで外され、しばらく浦和のトップ下はポンテのものでした。その後の梅崎は負傷がちになり、昨年堀監督がサイドアタッカーで起用したのは久々の輝きでした。たぶん、梅崎が好調だったので、残留争いを勝ち抜くため堀監督が起用した「梅崎システム」だったと思います。
今季は3バックのミシャが就任したので、梅崎を入れるなら柏木や山田直輝、ポポら候補者がたくさんいる2シャドーの一角かと予想していました。しかし、ミシャは早い時期から戦術練習を始めたので、右アウトサイド平川、左アウトサイド梅崎はキャンプ二日目から現在に至るまでほとんど固定されていました。
攻撃力が売り物の梅崎とバランスを取るため、右を守備力のある平川にしているのはミシャの工夫ですが、梅崎がここまでアウトサイドで機能するとは想像以上でした。浦和のサッカーが4バックの相手に対しマークしにくいという事実が明らかになったので、アウトサイドの梅崎の攻撃力は浦和の売り物の一つになっています。
クロスを上げるだけでなく、スピードでフリーになるのも梅崎の売り物の一つで、縦に出されたパスには喜んで駆け上がっていきます。その後の決定力には課題もありますが、今季このままの調子を維持すればミシャサッカーで成長した選手の代表格に挙げられると思います。