バンクーバー五輪が目前に近づいてきたので、今日はウインタースポーツの中では比較的わかりやすいスポーツのジャンプを取り上げます。皆さんご存知でしょうが、ジャンプにはノーマルヒルとラージヒルがあります。
この両者の違いはジャンプ台の大きさで、飛距離もノーマルヒルが90m前後、ラージヒルが110mと差があります。スキーの競技はアルペンでもそうですが、生身の人間が110km前後のスピードが出るので、子供の頃からそのスピードに慣れていないと、怖くてできないでしょう。
ラージヒルのジャンプ台と言えば、私は札幌五輪のジャンプが行われた大倉山にリフトで登ったことがあります。ジャンプ台を観光名所として開放しているのには理由があります。この大倉山は、遠く札幌の中心部の大通公園が見渡せる眺めの良さがあります。
残念ながら、札幌五輪当時に日本が表彰台を独占したジャンプ台はノーマルヒル(当時70m級)で、このジャンプ台ではないですが、遠く大通公園を見渡すには絶好の位置でも、真下のカンテを見ると恐ろしくて、ほとんど垂直のような壁を滑り落ちるかのように見えます。
また、ジャンプは単に遠くに飛べばいいというものではなく、飛形点という美しい形で飛べるかどうかという採点競技の要素もあります。かつてV字ジャンプが世の中を賑わした90年代、当時は飛形点を減点されても、それ以上遠くに飛べばいいという発想で日本勢がいち早く対応しました。
今は、V字ジャンプの飛形点の減点はなくなったので、世界は誰もがV字で飛ぶようになりました。また、理不尽なルール改正で、岡部ら身長の低い選手はスキー板の長さが10cm以上短くなるようになりました。これでは、背の低い選手はジャンプをやるなというようなもので、日本が活躍するとルール改正されるという嫌な世界だと思わざるを得ません。
正直、今の日本のジャンプ界は岡部や葛西が未だに頑張っているなど、世代交代は遅れています。今回はメダル候補という注目はありませんが、団体戦のような安定感で勝負する競技ならあるいはという気持ちは持っています。