携帯メールで書いていた原稿の、自宅PCへの到着が遅れ、更新が遅れたことをお許し下さい。
一昨日のACミラン戦、まず驚いたのがACミランの試合の入り方でした。普通、格上チームが格下チームと戦うときは、早い時間で決着をつけようとして、最初から激しいプレスを掛けてきます。ところが、この日のACミランは、ジラルディーノの1トップに、アンブロジーニ、ピルロ、ガットゥーゾの3ボランチを置く慎重策でした。
このスタメンを見たとき、浦和の攻撃はほとんど機能しないのではと思っていました。しかし、浦和も結果は0-1の敗戦でしたが、通用した部分もありました。それはサイドの攻防と中盤のパス回しです。細貝や相馬は守備で頑張り、相手のクロスを通させませんでした。
阿部勇樹や鈴木啓太は、攻撃につなげるという意味では多少物足りませんでしたが、長谷部を含めた中盤3人相互間のパスはある程度回っていました。しかし、一番浦和とACミランの差を感じたのは、浦和のFWがボールを受けるときのプレーです。Jリーグの感覚なら通るだろうと思われるスルーパスやサイドからのクロスは、全てACミランのDFにカットされてしまいました。
もちろん、ワシントンの個人技もまったく通用しません。浦和の攻撃はサイド攻撃が主体とは言っても、FWがポストに入ったり、サイドに流れたりといった、組み立て段階でのFWの関与は不可欠です。それが完全に封じられた事実には、やはり世界のDFはレベルが違うと感じました。
ただ、この試合をワンサイドゲームにしなかったのは、ネネの貢献が大きいです。ネネは足は遅いですが、相手に攻め込まれたときに確実に流れを切ってくれる老練さがあります。これが効いて、ACミランに連続攻撃を浴びないで済みました。
しかし、ACミランの技術の高さ、フィジカルの強さは思わず見入ってしまいます。カカのドリブルは、浦和のDFがいつもなら止められるだろうと思っていそうな動きをしていても、それを嘲笑うように突破していってしまいます。ピルロも、一見パスミスに見えるようなロングボールが、実は味方の走るスピードを計算していた絶妙なパスだったりします。
得点を決めたセードルフの運動量は、31歳の今でも健在です。これが世界だという技術を全面に出したミランを見て、やはりクラブW杯の真剣勝負は違うなと、この舞台(アジア王者)に辿り着いた浦和の残した結果に、感心した次第です。