一昨日、味スタに行ったときに見つけた「キングアマラオスタジアム」の横断幕は、引退後ずいぶん経った今でも、元東京FWアマラオが尊敬されている証明です。アマラオはブラジル人ですが、日本でのプレーが長く、日常会話はほとんど日本語で大丈夫な語学力があります。
もちろん、彼が尊敬されている理由はそのゴール数です。JFL時代の東京ガスでプレーした彼は、東京ガスがJリーグに上がらない方針だったので、なかなか目立つ場所ではプレーできませんでしたが、JFL得点王の常連でした。
彼のプレーを見たのは、東京ガスがプロのFC東京になり、J1に昇格してきた2000年以降です。東京サポではない私ですが、彼のハットトリックを国立競技場の対川崎F戦で見たことがあります。当時、浦和はJ2で、アウェイ戦のテレビ中継はないのが当たり前だったので、手持ちぶさたになって国立競技場に出かけて、こんな貴重な瞬間を見られました。
アマラオといえば運動量の多さが売り物でした。2000年のシーズンにトゥットが17点、アマラオが13点の活躍で昇格1年目の東京が旋風を起こしたのは今でも覚えていますが、当時は2トップの一枚がトップ下気味に引いてゲームメーカーになり、もう一枚が前線に残って決めるという、2トップの運動量が多かったからできた戦術でした。
アマラオにはその後も何度か浦和の前に立ちふさがるゴールを決められています。走るFWでありながらセットプレーに強いのも売り物で、相手DFを出し抜くテクニックも持っていました。当時は既にベテランでしたが、年齢的な衰えはあまり感じない選手でした。
東京時代に一度横浜FMからオファーが来たことがあり、本人も移籍に気持ちが傾いたことがあります。しかし、東京のサポーターがアマラオ本人に残って欲しい気持ちを語って残留したエピソードがあります。これがあったので、今でも東京サポが彼を尊敬するのでしょう。
のちに東京に加入したルーカスがアマラオに似たFWで、東京はそういう選手を発掘する能力が高いのかなと思います。