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輝けるトップ下(中村俊輔)

先日、天皇杯4回戦の横浜FM長野パルセイロ(JFL)を見ていました。長野は2回戦でJ1名古屋、3回戦でJ2北九州と次々格上チームを倒してきたチームで、この試合も延長戦までもつれ込む健闘を見せました。そんな試合でしたが、見所は胆のう炎から回復して途中出場した司令塔、中村俊輔選手でした。

この試合、横浜のスタメントップ下は、本来ボランチの中町でした。ただ、中町のトップ下はどうしてもボランチの癖が出て、下がってもらいたがる傾向が見られました。そんな展開を変えたのはさすが中村俊輔でした。中村俊輔は既に35歳とベテランですが、横浜FMに復帰した2010年の時点では、渡欧前の2002年に測定した持久力の数値が下がっていることがわかりました。

それで、体に関するケアを見直した結果、今年の中村俊輔は運動量が増えたとサッカー評論家の間で認められるようになりました。この長野戦は病気明けでベストコンディションではないだろうという予想に反し、ベテランらしくどこに行けばフリーになれるか正確に予測してポジションを取っていました。

また、こういう技術に優れたベテランが出ると、相手ボールのCKが逆に見ものになります。セカンドボールを俊輔が拾えば、相手のチェックなど問題にせずフリーの味方にパスを出し、見事にカウンターを機能させてみせます。同じことができる選手には、ローマMFトッティ、川崎MF中村憲剛らがいますが、彼らも相手がチェックに来ようと、涼しい顔でカウンターにつながるパスが出せます。

中村俊輔は、Jリーグの直接FKゴールの最多記録を持っています。どうしてもファウルで潰さないといけないという場面は、相手にとっては常にあると思いますが、そういうときに飛び道具一発で決めてしまえる能力は、横浜FMにとっては大きな武器だと思います。大分戦のFKのときは、目線で一度もゴールの枠を見ないことで、相手GKにクロスだと思わせたトリックプレーも見せています。

中村俊輔は、ご存知の通りスコットランドセルティックでプレーして、日本人初の海外リーグでのMVPを受賞しています。ただ、彼にとって不運だったのは、家族が欧州について来なかったことです。もし一緒だったらもっと海外でやれたと思うと残念だったと思います。